温かいおしぼりを使用したときに、何となくホッとした経験は誰しもあることだと思いますが、温かいおしぼりを使用したときになぜあの「ホッ」とした感覚が起こるのでしょうか。ここでは、その点についてご紹介します。
看護に関する文献[1]には、温熱刺激という言葉が出てきます。温熱刺激は、筋肉の緊張を緩和させたり、関節の硬直を減少させたり、痛みを軽減したり、血流を増加させるのに有効である、と書かれてあります。つまり、温かいおしぼりを使用すると、筋肉の緊張がゆるみ、血流が増加することによって、あの何とも言えないホッとする感覚が得られるのではないかと思います。
また、四肢の一部に温熱刺激が加えられると、ほかの四肢の温度もわずかに上昇することが確認されている、ともありました。つまり、温かいおしぼりを手にすることによって、手足全体が温まり、それによって全身の心地良さにつながるのではないでしょうか。
また、上記のように、温熱刺激による身体への影響として、血管が拡張した後、血流量が増加し、代謝産物(タンパク質、脂質、核酸、炭水化物等の生命に欠かせない生体物質)の流れが良くなり白血球の増加も促進されるとのことです。温かいおしぼりを使用すると、実はこのようなことが体内で起きていたのですね。
温かいおしぼりを提供する際のポイントとしては、人にもよりますが、皮膚温よりやや高い40℃前後が看護の観点からは良いようです。当社で取り扱うおしぼりウォーマーですと70℃以上になりますので、お客様や患者さんに提供する際には、少し冷めた状態で提供していただくのが良いかもしれませんね。
参考文献
[1]奥宮暁子,坂田三允,藤野彰子,“症状・苦痛の緩和技術,”中央法規出版,41,1995.